YOKKO's Blog

アラサーの仕事論、書評、ランニング

【書評】LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略 〜この本はかなりリアルな未来予想図だと思う〜

こんにちは、よっこです。

 

今日は「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」の感想について綴ります。

 

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いろんな本を読んだり、インフルエンサーtweetYou Tubeを見てると、とにかく今の時代は変化しているんだなという事を感じます。

 

特にITが普及してから変化の加速度が年々増している感じがありますよね。

 

例えば携帯電話からスマートフォンに変わったとか、家電や車にAIが搭載されるとか、テクノロジーの進化は割と感じやすいと思いますが、この本でテーマとして挙げられているのは平均寿命の伸びについてです。

 

 

この本を読むまで、日本人の平均寿命が年々上がっているという認識はありましたが、それがどのように私たちのライフスタイルを変えていくかという事までは考えも及びませんでした。具体的に以下のような一文があります。

 

 

長寿化は、社会に一大革命をもたらすと言っても過言ではない。あらゆる事が影響を受ける。人々の働き方や教育のあり方も変わるし、結婚の時期や相手、子供をつくるタイミングも変わる。余暇時間の過ごし方も、社会における女性の地位も変わる。20世紀に、日本の社会と経済は大きな変貌を遂げた。長寿化は、21世紀に同様の大きな変化を日本にもたらすだろう。この先、多くの変化が日本人を待っている。

 

 

社会の変化の具体例を挙げると、年金受給年齢の引上げとか、定年退職の時期の先延ばしなどがあります。

 

社会制度だけではなく、個人の問題にまで落とし込むと、働き方やキャリア形成の概念も、ものすごく変わっていくのだろうなと感じました。

 

「一斉行進」が終わる

これまで多くの人たちが経験してきた人生は、教育➡️仕事➡️引退のような3つのステージから構成されていました。多くの人がこの順番通りに人生を歩み、同世代の人たちから隊列を乱さずに一斉行進することにより、確実性と予測可能性が生まれていました。また、これにより人々は機会と選択肢の多さに戸惑うことなく、企業や政府は人々の多様なニーズに直面せずに済んでいました。

 

しかしこれからはこのような3ステージの人生が通用しなくなり、マルチステージの人生を歩む必要性が出てきます。マルチステージの人生では、新しい人生の節目と転機が出現し、そのステージをどの順番で経験するかという選択肢が大きく広がります。ステージをへる順番は、3ステージの人生の論理ではもはや決まらなくなり、一人ひとりの嗜好と状況によって決まって行くようになるのです。

 

またマルチステージの人生においては、既存の3ステージに加えて、三つの新たなステージが出現すると述べられています。

 

新しいシナリオ

マルチステージの人生が普通になり、人生で様々な活動を経験する順序が多様化すれば、「年齢」と「ステージ」が必ずしもイコールでなくなります。以下で説明する三つの新たなステージは、あらゆる世代の人が実践できるという点も、今までの一斉行進の時代とは異なる点ですね。

 

エクスプローラー(探検者)

自分についての理解を深め、自分がどういう人間で、何を好み、何が得意なのかを見出していきます。例えば、旅をすることにより世界について新しい発見をし、あわせて自分についても新しい発見をします。このステージは、自分の内面を探すというより、外的な刺激を通じて発見を行う時期になります。試練を与えられたり、思考を揺さぶられたり、怒りを掻き立てられたり、ときには喜びを感じさせられたりする環境で、自分について学ぶ期間になります。

 

インデペンデント・プロデューサー(独立生産者)

旧来の起業家とは異なる性格の新しいタイプの起業家になったり、企業と新しいタイプのパートナー関係を結んだりして経済活動に携わる人を言います。旧来のキャリアの道筋から外れて自分のビジネスを始めた人たちがこのステージを生きます。この時期には専門知識を身につけ、学習し、しかも生産活動にも携わります。旧来の起業家と異なる点は、事業を成長させて売却することが目的ではなく、ギグエコノミー(インターネットを介して単発の仕事を受注する仕組み)のようなもっと一時的なビジネスも含めるところです。

 

ポートフォリオワーカー

異なる種類の活動を同時に行うのがポートフォリオ・ワーカーです。例えば所得の獲得を主たる目的とする活動、地域コミュニティとの関わりを主たる目的とする活動、趣味を極める為の活動など様々な活動のバランスを主体的に取りながら生きようと考えます。

 

 

 

100年ライフを生きる私たちには変身資産が必要

上記のように新しい生き方の概念が出現してきている中で、私たちに必要とされているのは、時代の変化に対応する能力=変身資産です。

 

変身資産とは、人生の途中で変化と新しいステージへの移行を成功させる意志と能力のことであると、本書では定義されてます。具体的には以下の三つの要素で構成されています。

 

 

自分についての知識

自分についての知識は、変化を遂げるための道筋を示すことに加えて、人が変化を経験しながらもアイデンティティと自分らしさを保てるようにする役割を持ちます。自分についてよく理解している人は、人生に意味と一貫性を持たせる道を選びやすくなります。

 

 

多様性に富んだネットワーク

視点が変わるきっかけになるのは、それまでよりも広く多様性に富んだ人的ネットワークに触れることです。アイデンティティは友人関係やその他の人間関係に深く根ざしているので、移行を遂げるときはどうしても交際範囲が変わらざるを得なくなります。変身は一人ぼっちでは実現できないし、大抵は、昔と同じ友達グループの中でも実現しないのです。

 

 

新しい経験に対して開かれた姿勢

自分についての知識と多様性に富んだ人的ネットワークは、変身の基盤を作り出します。しかし、変身資産にダイナミズムをもたらすのは、実際の行動です。過去に例のない大胆な解決策を受け入れる姿勢、古い常識ややり方に疑問を投げかけるのをいとわない姿勢、画一的な生き方に意を唱え、人生の様々な要素を統合できる新しい生き方を実験する姿勢を持っていなくてはならないのです。

 

 

 

まとめ

一斉行進型モデルが弱まる結果、人々が否応無く自分の人生を選びとっていくことになります。裏を返せば、親世代が経験してきたことをそのまま踏襲しても正解が約束されていないということになります。前例のない時代を不安に思いながら流されて生きるのか、ワクワクして生きるかで所得差や幸福感の差も広がっていくのかなと感じました。